近年、田舎暮らしへの注目はますます増しており、田舎暮らしをテーマとしたテレビ番組やYouTubeも目にします。
サラリーマン生活に疲れ果てて田舎暮らしに興味を持った方もいるでしょう。
しかしテレビなどのメディアではメリットばかり強調されがちですが、しっかりデメリットも存在します。
安易に地方移住する前に現実を把握した上で決断しましょう。
この記事でわかる事
✔ 田舎暮らし未経験者がよくする勘違い
✔ 田舎暮らしと都会暮らしの出費の比較
✔ 田舎暮らしのメリット・デメリット
✔ 地方移住する前に必要な準備
この記事を最後まで読む事で今まで、あなたが描いていた田舎暮らしの常識が変わるかも知れません。
又、この現実を知る事で実際に地方移住を開始しても大きなギャップを感じる事もなくなるハズです。
田舎暮らし未経験者がよくする勘違い

✅「住」に関する勘違い
「田舎暮らし」と言うキーワードを聞いただけで生活コストが安いと勘違いする人が多いようです。
「ホリエモン」と言う影響力のある人が、田舎は都会の5分の1で生活出来るなど、デタラメな事を平然と言ってたりします。
まずは田舎暮らしを決意する前に勘違いを解消しましょう。
「食」に関する勘違い
- 田舎は食べ物は近所からもらえる
- 田舎は自給自足でお金がかからない
- 田舎は食べ物が美味しい
- 田舎は食べ物が安い
ホリエモンのYouTubeなどの影響もあり、これらの食に関する勘違いを増大させています。
田舎は食べ物は近所からもらえる

そんなの誰がくれるんや!

田舎イメージの勝手な妄想ですよ!
これもホリエモンがYouTubeで言ってた事ですが、実際に「食べ物は近所からもらえる」という事はないと考えるのが無難です。
まず、地方都市と言われる様なところ、例えば青森県なら青森市、岩手県なら盛岡市などがこれに該当しますが、こういうところではもらえる事は限りなくありません。
もちろんまわりが農家で田畑しかない様なところで、近所付き合いをしていれば100%無いとは断言しません。
しかしGive&Takeと言う言葉があるように、もらったら何か返すのも田舎の常識で返さなかったらその噂が広まります。
むしろもらえない方が暮らしやすいと言えるでしょう。
田舎は食べ物が美味しい

なんで田舎はこんなに食べ物美味いの?

気のせいですよ!
「田舎は食べ物が美味しい」と皆、口をそろえて言いますが本当にそう思っていますか?
水を差すようでもうしわけありませんが、そんなの判断できるのは海原雄山か山岡四郎ぐらいです。
これはキャンプでバーベキューをやると美味く感じるのと同じ現象です。
ただ、本当の意味での完熟トマトのように完熟して腐る寸前に収穫したものは素人でも美味いのがわかります。
スーパーでは手に入らないものです。
しかしこれは田舎に限ったものではなく都会の畑でも可能です。
田舎は食べ物が安い

都会のスーパーの方が安く感じるんだけど?

その通り!都会の方が断然やすいですよ!
「田舎は食べ物が安い」はとんでもない想像、妄想です。
田舎にはスーパーが少なく、価格競争が起きない上に販売数も少ないため都会よりもすべて割高です。
ただし、イオンが近くにあれば食材は都会と同等の価格で手に入ります。
又、イオンと競合する地域にあるスーパーも生き残りをかけて価格競争していますので価格もイオン級で手に入ります。
「住」に関する勘違い
- 田舎は家賃が安い
- 田舎は生活コストが安い
田舎は都会と比べて全てにおいて生活コスト高く、都会よりも確実に安いものは土地の価格だけです。
田舎は家賃が安い

スーモで賃貸物件を検索したけど全然安くないね!

古い一軒家の賃貸なら激安ですよ!
「田舎は家賃が安い」とよく言われますが、それは古い一軒家の賃料だけです。
マンション、アパートの相場はさすがに東京23区よりは安いですが、初めて調べた人は思ったよりも安くない事に気づくと思います。
いくら田舎は土地が安くても、マンション、アパートの総工費は大きく変わらないからです。
相場的には埼玉県の入間市、狭山市級の金額位で都心と比べると安く「田舎は家賃が安い」と思っていた人には割高感があると思います。
気になる方はスーモで検索してみて下さい。
田舎は生活コストが安い

ホリエモンが田舎の生活コストが都会の5分の1と言ってたけどホント?

あり得ません!田舎に住んだことがない人の妄想です。

でも北海道に住民票あるみたいだよ!

あれは住所置いているだけで住んでるとは言えませんよ!
テレビやYouTubeで「田舎は生活コストが安い」と言っているのをよく目にしますが、これはとんでもない間違いです。
田舎は都会と比べて安いのは家賃だけで、それ以外はすべて割高な上に給料も格段に安いので、生きていく事自体がとても大変です。
これは都会と田舎の両方で生活した人ならわかると思います。
田舎暮らしと都会暮らしの出費の比較

都会 | 田舎 | |
---|---|---|
給与 | 高い | 安い |
家賃 | 高い | 安い |
交通費 | 安い | 高い |
ガス※ | 都市ガス | LPガス |
水道※ | 上下水道 | 浄化槽 |
トイレ※ | 水洗 | 汲み取り |
食費 | 安い | 高い |
※印は一部の地域を除く
この表を見るだけで生活コストが都会の5分の1ではない事が容易にわかります。
生活を圧迫する家賃が安くても給料も安という事もお忘れなく!
給与
平均年収で見れば田舎は都会の2~3割減ぐらいですが、それはあくまで平均です。
田舎にも大手企業の支店等ありますので、それらが平均を上げておりますが普通に中途で入社する場合は都会の5割減ぐらい覚悟した方がいいです。
その地域の職安の求人情報をみれば、その安さに驚くと思います。
家賃
田舎の家賃は古民家の場合は月1万とか2万など見つかる事も有りとにかく安いです。
ただ、古民家は広いだけで使い勝手が悪く、今まで都会暮らししていた人には抵抗があるかも知れません。
交通費
田舎の交通事情は電車又は汽車、バスともに本数が圧倒的に少なく不便な上に料金もかなり割高です。
そのため車は必需品となり、更にガソリン代も都会と比べて高いのでコストがかさみます。
基本的に車社会ですので、運転免許がない人は田舎暮らしそのものを見直す必要が出てきます。
ガス
田舎は都市ガスがなくプロパンガスですので、都会から来た人はこのガス料金の請求書を見て驚くかもしれません。
特に田舎はガス会社が少なく、決まったところが独占で提供している事が多いので料金も高くなります。
目安としては、安くて都市ガスの1.5倍、高いところだと3倍ぐらいは覚悟する必要があります。
水道
田舎でも上下水道が整備されているところもありますが、上水道しか整備されていないところもあります。
その場合、浄化槽を利用する事になりますのでその維持管理費がかかります。
メンテナンス料金のは年に4万円~6万円程度かかりますが古民家など賃貸で借りた場合は、これをどっちが負担するのか明確にしておきましょう。
トイレ
田舎でも水洗トイレの通ってるところもありますが、汲み取りの場合は年に数回、バキュームカーを呼んで汲み取りしてもらう必要があります。
汲み取り料金は5000円~12000円程度で、各市町村によって違います。
地方移住・田舎暮らしのメリット・デメリット

✅ 地方移住・田舎暮らしのデメリット
田舎暮らしにはメリットもあればデメリットもありますので、それをトータルで考えた上で地方移住するか否かを判断しましょう。
地方移住・田舎暮らしのメリット
- 土地が安い
- 自家菜園ができる
- 自然環境に近くなる
田舎暮らしのメリットと言えば、都会暮らしでは出来ないような事がたくさん出来る事です。
特に最初の頃は毎日が別荘に来ている様な楽しさがあります。
土地が安い

夢のマイホームが安易に手に入る?
都会と比べて土地が驚くほど安く、マイホームが持ちやすい環境です。
賃貸の場合、アパートやマンションは安くはありませんが古民家は激安ですが思ったよりも物件が少ないのが現状です。
最もコスパがいいと思われるのが、空き家を購入するのが一番いいかも知れません。
程度によってはリフォーム費用がかさむケースもありますが、空家バンクで30万ぐらいから販売されております。
自家菜園ができる

スーパーで買うのと比べてコスパは?
自家菜園は畑を用意出来ればできますが、近くで借りるよりも家の敷地内に畑がある状態が理想です。
コスパ的には、土が出来ていて初期で揃える作業用品や自身で作業する手間代を含めなければ、どの野菜でも基本的にコスパは悪くありません。
特に世帯人数が多いほどコスパはよくなります。
ただ、要領を得るまでは作り過ぎて結果的に廃棄することになる事は普通によくあります。
ニワトリを飼えばその辺の雑草から余った野菜も処理してくれる上にタマゴも生んでくれるのでおすすめです。
自然環境に近くなる

自然と触れ合うとストレスを軽減できるという研究結果があるようです。
田舎暮らしと言えば自然を身近に感じながら生活できて、それぞれの季節がより魅力的に感じられます。
山、海、緑に囲まれた場所での暮らしに憧れて移住に関心を寄せる方も多いでしょう。
自然とふれ合うだけでストレスを軽減できるという研究結果があるように、都会暮らしの人も休日にアウトドアなどに出かけるなど人間の体はそれを求めております。
田舎暮らしは自然が普通にありますので常にストレスを解消される環境が出来上がっております。
地方移住・田舎暮らしのデメリット
- 仕事が限定的で収入が低い
- 生活コストがが高い
- 意外と家賃が高い
- 車がないと生活しにくい
- スーパーやコンビニが少ない
- 飲食店が少ない
- 人間関係や地元への適応が必要
- 方言の壁
- 娯楽施設が少ない
- 子供の教育の問題
田舎暮らしは都会暮らしと比べて数だけならデメリットの方が多いのが現状です。
自分だけの満足度だけではなく、家族も満足出来るかを十分に検討する必要があるでしょう。
仕事が限定的で収入が低い

地方移住する際の一番の課題ですね!
田舎は仕事の選択肢が少なく、そして給料が安い!
都会のように求人サイトや職安で仕事を探しても限定的で、主に公共事業を受けている建設業の作業員などで、他の求人はなかなかありません。
都会では人手不足と言われているコンビニやすき家の店員のバイトでも空きがない状態です。
田舎暮らしに希望を抱いて地方移住する際は、まず収入源が確保出来るかが大きな課題になります。
物価が高い

ホリエモン!デタラメ言うな!
ホリエモンが田舎の生活コストが都会の5分の1と言ってましたが、それを鵜呑みにすると大変なことになります。
これに関しては、この記事でも既に説明しておりますので詳細は割愛させていただきますが実際に都会よりも田舎の方が物価が安いものは土地価格だけです。
田舎暮らしに関することに限らず、インフルエンサーと呼ばれる人達は悪気が無いにせよ、結構デタラメを平然との発信している事が多いので自身で情報の取捨選択をしましょう。
意外と家賃が高い

アパートやマンションの家賃意外と高くないか?
田舎は家賃が安いというイメージがあるかも知れませんが、安いのは古民家だけです。
これもこの記事の(「住」に関する勘違い)で説明していますので詳細は割愛させていただきますがアパートやマンションは意外と高いです。
都会から田舎暮らしを目的に移住を考えてる人は、田舎のアパートやマンションを借りるという選択肢はおすすめしません。
車がないと生活しにくい

運転免許がない人は厳しいね!
田舎は公共交通機関がとても少なく、さらに運賃が高いです。
仮に近くに駅やバス停があっても本数が驚くほど少なく、都会の比ではありません。
よって移動手段として必須となるのが車になりますので、いわずとコストもかかります。
スーパーやコンビニに行く場合でも車でしか行けないところが多い為、車はライフラインの必須アイテムになります。
スーパーやコンビニが少ない

食料品は買い貯めが必須だね!
田舎はスーパーやコンビニが少ないため、食料品は買い貯めするのが常識とされています。
都会暮らしでは考えられない不便さです。
田舎のスーパーは数が少なく競争が生まれないため価格が割高ですので、イオンに行ける圏内が理想です。
車の無い又は運転出来ない世帯では、生協などの宅配食材を利用しています。
飲食店が少ない

自炊が必須だね!
田舎は松屋、すき家など、他飲食店が少なく生活のするにあたって自炊は必須です。
都会暮らしのように面倒だから自炊しないで毎日外食などは現実的ではありません。
自炊したくない!出来ない!という人は田舎暮らしそのものを見直す必要があるでしょう。
人間関係や地元への適応が必要

村八分って本当にあるの?
移住先で村八分にされて移住継続が困難になったという話は聞いたことがあると思いますが、これは都市伝説ではなく現実です。
日本で生きていく為には日本の法律を守らなければなりませんが、それと同じように地域独自のローカルルールも存在します。
例えば自治会費や草刈り、その他イベントへの参加など法的には拒否可能ですが、その地域で生きていく為には拒否はしない方が無難です。
「郷に入れば郷に従え」という言葉があるようにローカルルールに従う事が前提と考えるべきでしょう。
方言の壁

方言は英語覚えるより難しいかもよ!
これはどこに地方移住するかで、大きな違いがあります。
例えば茨城県などであれば、ちょっとなまっている程度で何を言っているのかおおよそ分かりますが、これが青森県や秋田県だと言葉の単語そのものが違ったりします。
まさに英語を覚えるよりも大変と言っても過言ではありません。
そして怖いのは普通に標準語で話すと「都会風吹かせてる」など言われる事もあります。
子供の頃に田舎に移住した場合は、数年後にはすっかりその地方の方言に染まりますので心配はいりませんが、むしろ大人になってからはその方言に染まる事はありません。
出来る事といえば英語やドイツ語を勉強するように方言を勉強して、せめて聞き取れるようになる事で地元の人と距離を縮める事が出来るでしょう。
娯楽施設が少ない

昔はもっとあったよね!
特に今の田舎は娯楽施設が少ないどころか年々更に減っています。
原因は田舎だから!と言えばそれまでですが実際、昔はもっとありましたが若者が減るのと同時に娯楽施設が時と共に減っています。
しかしこれらは田舎暮らしするという地点でわかっている事だと思います。
ちなみにパチンコ屋はそれなりにあります。
子供の教育の問題

健康には良さそうだけどね!
田舎暮らしは子供の健康にはいいかも知れませんが、教育の事を考えれば田舎は良いとは言えません。
まず、田舎では都会のように大学に入るのが当たり前という考えがなく、大学は特別に頭のいい人が入るところだという考えている人が多い様です。
さらに田舎はヤンキーがモテルため、勉強の出来る人よりもヤンキーになりたがる人が多くなりがちです。
私の知ってる限りだけでも、ヤンキーにならなかったらいい大学に入れたと思える人もたくさんいます。
田舎の子供の教育、そして将来まで考えれば確実に教育環境は悪いと言えるでしょう。
地方移住・田舎暮らしをする前に必要な準備

✅ 収入源の確保
地方移住は思いつきで行うのではなく、きちんと準備して計画的に行いましょう。
その地域の事前調査
- その地域の環境
- 「住」の事前調査
- 「食」の事前調査
「食」と「住」とその地域の環境を出来る限り事前調査しましょう。
その地域の環境
環境とは自然環境だけではなく、その地域の特殊事情も調査しましょう。
特殊事情とは村八分の情報など、可能な限りを尽くして調べて下さい。
調べ方はネット検索や住居候補の近所に挨拶に行って探るしか方法がなく、後は運です。
村八分はドラマなどで見るよりも遥かに根深く、その村が無くなるまで続くと言われています。
田舎はいい人が多いという人もいますが、同時に恐ろしい人も存在します。
しかも悪気がなく正義だと思って普通にやっているのでなおさら解決不能で習慣のようなものになってしまっております。
「住」の事前調査
その地域の土地の相場と周辺に何があるか、冬は除雪車がくるところなのか、上下水道やインターネット回線が来ているかなどです。
又、古民家など賃貸料金や空家バンクで購入した場合の金額など調べておきましょう。
「食」の事前調査
田舎は「食」に関しては物価が高いので、イオンに行ける圏内か否かは重要な問題です。
イオンがあればスーパーでの食材購入は都会並の金額ですみますので、可能な限りイオンに行ける範囲に住む事をおすすめします。
くれぐれも「田舎は野菜がもらえて食費がかからない」などと言った都市伝説は信じないで下さい。
収入源の確保
田舎暮らしで最も大変なのは収入源で、これさえ確実に確保出来ればなんとでもなります。
よく無職で田舎に移住してその様子をYouTubeで発信して広告収入を得ている人もいますが、そういうチャレンジは否定しませんが、それを真似したところで上手く行くとは限りません。
又、移住してから仕事を探すのも結構なギャンブルの様なものです。
前もって移住先に仕事があるのか、そして採用されるのか、又給料はどれぐらいなのかを調べておく必要があります。
インターネットを使ったビジネスなど田舎でも関係なく収入を得られるものがあれば、移住しても安心できます。
そうようなものが出来る人は、計画的に構築して移住する前に既に収入が確保できている状態であることが理想と言えるでしょう。
まとめ
ホリエモンの「田舎は都会の5分の1で生活出来る」はデタラメで田舎は都会と比べて安いのは家賃だけ。
メリットとデメリットを比較すると数だけならデメリットの方が多いが、とにかく収入源があれば大抵の事は解決できる。
◎「衣」について
・都会と比べて安いものはほぼ無く、高いか同等の金額。
・田舎に店は少ないがAmazonや楽天で買えば問題はない。
◎「食」について
・田舎は価格競争が起きない上に販売数も少ないため都会よりもすべて割高。
・田舎は自炊が原則で出来ない人、やりたくない人は田舎に住めない。
・土が出来ているのが前提で手間を惜しまなければ自家菜園すればどの野菜でも基本的にコスパはいい。
◎「住」について
・特別に安いのは古い一軒家の賃料だけだが、あまり物件がない。
・マンション、アパートの相場は埼玉県の入間市、狭山市級の金額ぐらいで東京よりは安いが、思っているほど安くはない。
・空家バンクで格安物件が多数ありコスパがいい。
◎その他コストについて
・交通費は車社会のためコストが高くバス、電車はあっても本数が少ない上に高い。
・ガスはプロパンガスのため、とても高く都市ガスの1.5倍、高いところだと3倍以上。
・水洗トイレや下水道が通っていない地域は汲み取りや浄化槽などの維持費がかかる。
◎仕事について
・主に建設業の作業員など限定的で給料が安い。
・コンビニやすき家の店員のバイトでも空きがない。